Rust of Steel振り返り
- Jack Stone
- 4月6日
- 読了時間: 7分
Rust of Steel公開から2か月ほど経過したので、作品の振り返りなどをしてみようと思います。
サイトにブログ機能があるのにも関わらず、SNSばかりであまり使っていないので活用もしていこうかなと……。
Rust of Steelはかなりの時間をかけて制作したゲームになっておりまして、その膨大な時間と今時珍しいSFCライクな世紀末な見た目が目に留まったのか、多くのゲームメディア様に取り上げて頂き、お陰様で好調な売り上げを見せました。
正直言うと、今時RPGツクール2000なんていう25年前の化石みたいな……ゲームエンジンという言葉すらない時代のツールで作ったゲームなんて、見向きもされないだろうと思っておりました。ましてや世界観もとっつきやすいファンタジーではないマニアックな世紀末ですから、それらから考えるとヒットするとは到底思えませんでした。
そんなわけでフリーソフトでの公開を予定していましたが、発売前から反響や意見を頂き、SteamとBoothでの販売に踏み切らせていただきました。
結果として、売り上げも現時点で2000本近く、ウィッシュリスト登録も8000件超という今時ツクール2000作品にしてはあり得ない数字を記録させていただき、プレイヤーの皆様には感謝しております。
ぶっちゃけて言えば、リリース前は制作ツールの古さやUIの古さなどもあって相当に不安でいっぱいで、「令和の時代にツクール2000なんか大丈夫かよ…。」と思われていてもおかしくなく、まあ500本売れたら良いかぐらいに思っていたのですが、お陰様で想定の4倍近くもご購入いただけました。
ご購入いただいた方、本当にありがとうございます。
収益は次回作の開発費に使わせていただきます。
プレイした感想もSteamレビューや、直接メールをくださる方もいまして、大変励みになりました。中には翻訳ソフトでプレイした海外の方もいたりと、普段インディゲーをプレイするときに自分がやっている事を自分のタイトルでもして貰えるという貴重な経験もさせてもらいました。
更に、配信に不向きなゲームにも関わらず、プレイ動画や実況動画が作られるなど、まさか自分のゲームが動画になるとは思っておらず、公開された動画すべて拝見させていただきました。
それと同時に厳しい意見も頂いたので、次回作の参考のために全て目を通しております。
Steamレビューは現時点で賛否両論となっておりますが、こちらに関しては納得といったところです。そもそもがレトロゲーライクのかなり尖った設計にしていたり、ツールが古かったり、100%ユーザーライクで実装しきれなかったりと言った事がありますし、何より作者がやりたい事を全部突っ込んだある種の闇鍋みたいなゲームですから、風味の好みはそれぞれ分かれるでしょうし、妥当な評価ではないかなと思っております。
ただ、感想を貰った感じ、刺さる人にはとことん刺さったようで、次回作待ってますという応援コメントやメッセージを頂けたりと、大変励みになっております。
また、やりたい事の方向性は提示できたかなと思うので、次回作で方向性を確立してきっちり仕上げれたらなと思っております。

ここからは開発の振り返りですが、上記でも述べた通り、やりたい事は全て突っ込んで作れたかなという印象です。
自分の影響受けたゲームや映画などの要素をあれもこれもと突っ込んで、世紀末ワールドになったのかなと。
一部の方は本作を「世紀末版USJ」と称し、まるでテーマパークのようなゲームだとおっしゃっており、正にその通りであると思いました。
しかし、あれもこれも突っ込んでしまったので課題も浮上しました。
まず、あれこれやりすぎて方向性に悩み過ぎ、単純に開発期間が長引きすぎたという点。10年の間にツクールシリーズはゲームエンジンへと昇華し、5本ほど後継ツールが登場するなど完全に時代に置いていかれました。
製作期間はかかり過ぎると問題になるので、やはり短縮していきたい所です。
2つめに、ごった煮すぎて1つ1つの要素が中途半端だったかなという点。方向性に悩みあれもこれも突っ込んだはいいものの、システム同士のシナジーが薄かったりと体験が散漫になってしまったのは反省点かなと思いました。
そもそも本作を作るにあたって仕様書が用意されておらず、開発途中で方向性を決定した際にプロットを作成したのですが、それだけで作ってしまったのも要因の1つかなと思います。これは完全に開発準備段階のミスです。大作を作るのであればよくありません。
こちらも次回以降、開発前に企画書や仕様書でみっちり練ってから作る方向性にしないといけないと思いました。
3つめに、これも開発期間延長の原因なのですが、ゲーム開発前の準備段階でゲームエンジンをエンジン化しきれなかった点です。例えばFalloutやTESなどで有名なベセスダ製ゲームであれば、データベースから指定してマップに配置するだけでNPCが中身の入った状態で動作したり、コピペでイベントが機能したり量産出来たりするのですが、この準備を怠った為に開発期間が大幅に伸びてしまいました。
本作はイベントがほぼ全て直書きで設定され、オブジェクト・イベントがほぼすべて1つ1つ手書きされています。それ故に、修正をかける際は、1つずつチェックしバグを潰したりせねばならず、データベースから一括で変更が効かなくなりました。
これは企業製ゲームのMOD開発中に中身を知ったことで気が付いたのですが、時すでに遅くかなりの量を制作してしまっていた為に、やむなくそのスタイルで制作をする羽目になりました。大作を作るのであれば、まずゲームエンジン内で最適化をしてコピペで中身が作れるレベルまで準備しておく必要があると気付きました。
4つめに、マップの広さです。
こちらは高評価を頂いた方からも不満点として多く書かれていた点になります。
RoSの開発初期は大きなマップの中で犯罪するGTAみたいなゲームと、広大なマップを探索するウォーキングシミュレーター的なゲームになっていましたが、それをそのまま引き継いで作成した結果、マップの尺度がRPGにはそぐわない広さになってしまいました。
また、広い上に分岐点を多く用意したことで、迷子者が多発しご不便をおかけしました。
こちらもマップ尺度を意識して作るようにしなければなりません。
というように、Rust of Steelは作者のノリと勢い任せで作り過ぎた為、ユーザーライクを無視した設計になってしまった点。
そして長期間制作に備えた準備が全く足りないまま作ってしまった点が反省点として残りました。
最も、フリーソフトとして公開したのであれば許されていたのかもしれませんが、商品として有料販売してしまったのでそういった点は大きな不満となってしまいます。
次回作ではこの点を意識しながら開発を進めていきます。

尚、既に次回作は制作に入っており、これら反省点は取り入れて制作しております。
次回は世界観の面白さは維持しながらも、遊びやすさも意識して制作してまいります。
最も、若さとパワーで作る採算度外視な制作スタイルは今作でやり切った……というか、だいぶ若くなくなってしまったので、この闇鍋感ある勢いは次回以降は薄れてしまうかもしれませんが、その際は成長と取っていただけたら幸いです。
余談ですが、本来Rust of Steelは続編を制作しない予定でした。
そもそもRPGは制作コストが高く、更に普通の一本道RPGは作りたくないという好みから作業量の多いフリーシナリオタイプになる事が多いため、RPG制作はもう最後にしようと思っていたところでした。
しかし、一部から大変ぶっ刺さったという意見と、1での課題も多く自分の作りたいRPGをやり切れなかったという思いが強かったので、続編の製作を決定しました。
まあ、若干の燃え尽き症候群的な部分もあったのかもしれませんが……。
ただ、RPG以外のアプローチもしてみたい、ローカライズが比較的しやすいゲームを作ってみたいということもあるので、次回作にはサバイバルADVを制作する事とし、その次の作品としてRPGにもう一度挑戦しようと思っている次第であります。
この辺りの開発状況についてはSNSのほうで随時公開しているので、そちらをご覧くださればと思います。最も、SNSは結構適当に使っているので他の事も話したりしていますが。
長くなりましたが、私なりに振り返りを書き連ねてみたところです。
次回作も進めてまいりますので、応援の程よろしくお願いいたします。
ブログ使わなすぎなので、また何か書きます。(。-_-。)
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